ラボグロウンダイヤモンドの品質について

ダイヤモンドジュエリーを購入する際、ジュエリーのデザインはもちろん品質についても満足な品を購入するために、ダイヤモンドの知識と見極めが大切です。 多くのお客様に心よりご満足いただけるよう、ダイヤモンドの品質について分かり易くご紹介いたします。

 ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ化学組成や光学特性を持っており、品質においても天然ダイヤモンドと同じ4C基準でグレーディングされます。 4Cとは、ダイヤモンドの品質における国際基準で、「Carat・Color・Clarity・Cut」の4つの品質を評価するシステムです。それぞれの頭文字から4Cと略されています。

 ラボグロウンダイヤモンドの品質評価(グレーディング)は、国際的な鑑定機関であるG.I.A(Gemological Institute of America:米国宝石学会)やI.G.I(International Gemological institute:国際宝石学会)、HRD(Hoge Raad voor Diamond:ダイヤモンドハイカウンシル)、GSI(Gemological Science International:ジェモロジカルサイエンスインターナショナル)、AGS(American Gem Society:アメリカ宝石協会)などで行われ、鑑定書が発行されます。

 ダイヤモンドを購入する際の新たな選択肢として、世界から注目を集めているラボグロウンダイヤモンドですが、その品質(4C)について詳しくご説明いたします。

1. 4Cとは

4Cとは、ダイヤモンドの品質における国際基準で、「Carat・Color・Clarity・Cut」の4つの品質を評価するシステムです。それぞれの頭文字をから4Cと略されています。

 ダイヤモンドを購入する際の品質証明として認知されています。  
・Carat(カラット/重さ)  
・Color(カラー/色)  
・Clarity(クラリティ/透明度)  
・Cut(カット/輝き)

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ダイヤモンドの価格は、この4Cの組み合わせで決定されます。小売価格はもちろん業者間の仕入価格も4C基準で行われた品質により値決めされています。
また、4Cはアメリカにある宝石研究機関で、G.I.A(Gemological Institute of America:米国宝石学会)が1953年にダイヤモンドの品質評価システムを発表し、それ以来世界で最も認知され、また最も広く使われているグレーディングシステムです。
現在では、International Diamond Grading System™と呼ばれる世界共通基準として使われ、原則どの鑑定機関で鑑定を行っても同一の結果が得られます。日本でも一般社団法人宝石鑑別協議会の会員機関の鑑定書には、「GIAグレーディングシステムに準拠」とコメントが記載されています。

2. Carat(カラット/重さ)

Carat(カラット/重さ)は宝石の重量を表すメトリックカラットの単位で、1カラットは0.2グラムと定められています。また、1カラットの表記には通常1ctと略されます。

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カラットの語源は、古(いにしえ)の時代に比較的一定の果粒であるカロブ“Carob”の実が宝石計量のおもりに使われていたことに由来しています。カロブからギリシャ語の“Keration”になり、現在使われているカラットとなりました。

 ダイヤモンドのCarat(カラット/重さ)に対する価格評価は、大きくなるにつれて希少価値も上がるため、重量が増すと1ctあたりの価格も高くなります。例えば重量が2倍だから価格も2倍というわけではありません。

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Carat(カラット/重さ)の選び方については、価格や重さ(大きさ)に加え、デザインやご自身の指などに合う大きさ選びも大切になります。
 丸いダイヤモンド(ラウンドブリリアント)の場合、1ctの直径は約6.5mm、2ctは約8.2㎜となります。身に着けるシチュエーションやデザインに合わせて、ご自身に合うダイヤモンドを選びましょう。

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3. Color(カラー/色)

Color(カラー/色)は、DからZまで(D.E.F….Z)23段階に分けられ評価されます。

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ジェムクオリティのダイヤモンドというと多くの人は無色を思い浮かべますが、完全に無色のダイヤモンドは非常に希少です。ジュエリーに用いられるダイヤモンドは、ほぼ無色に近いのですが、僅かにイエローやブラウン味を帯びています。また、ダイヤモンドの特性として紫外線に対して発光するダイヤモンドがあります。カラーグレードを決定する要因にはなりませんが、蛍光性が強すぎると、自然光でも発光するので白濁したように見え、美しさが損なわれてしまいます。

ミニ知識ですが、Color(カラー/色)評価はなぜDから始まるのか? それはA.B.Cを使用すると他の評価やグレーディングと混同や誤解を生むとし、ダイヤモンドは他のグレーディングと関係のないDから始めることになりました。

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ダイヤモンドは無色に近い程価値が高まりますが色味が強くファンシーカラーに分類されると価値は高まります。Color(カラー/色)のグレーディングは、マスターストーンと呼ばれる認定を受けた色見本と比較し、そのダイヤモンドがどの色に該当するかを専門の鑑定士が目視で評価します。また特別に制御されたデイライトの照明環境下で観察を行うなど、僅かな色味の差を評価しています。

4. 3Clarity(クラリティ/透明度)

Clarity(クラリティ/透明度)は、石の透明度により11段階に分けられ品質の評価が行われます。ダイヤモンドは高熱高圧の環境で形成されるため、石に不純物や結晶の歪み、割れなどが含まれるため、石の透明の度合いを評価します。
 Clarity(クラリティ/透明度)の特徴は、石の外部特徴(ブレミッシュ)と内部特徴(インクルージョン)があり、この2つを併せてクラリティ特徴と呼びグレーディングが行われます。

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Clarity(クラリティ/透明度)は、クラリティ特徴が大変微小なため10倍の顕微鏡を使用して石を観察しグレーディングが行われます。そのため肉眼で見た場合、クラリティ特徴は見えないほど小さく、また高品質のVVSやVSではその差は殆ど分からないです。品質の低いIクラスなどは肉眼でもキズや内包物が比較的簡単に確認出来ます。

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ダイヤモンドを10倍で見た場合のClarity(クラリティ/透明度)のイメージが下図です。

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5. Cut(カット/輝き)

Cut(カット/輝き)は、5段階に分けられ品質の評価が行われます。最も良い品質がエクセレント、次いでベリーグッドと評価されます。(Excellent /Very Good / Good / Fair / Poor) また、評価ポイントは3つに分かれ、メインの「Cut Grade」に加え、追加評価として「研磨状態(Polish)」と「対称性(Symmetry)」があります。

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① Cut Grade
Cut(カット/輝き)は、光学特性上ダイヤモンドが最も輝くため、理想とされるプロポーション(寸法や角度)が定められています。なぜなら、理想のプロポーションに研磨されたダイヤモンドは、最適な光の屈折により素晴らしい輝きが生まれるからです。このプロポーションの形状を評価するのが「Cut Grade(カットグレード)」です。

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② Polish
ダイヤモンドは硬度が極めて高いため、他のどの宝石よりも研磨に時間を要します。表面状態の良いダイヤモンドは、鮮明な反射と歪みの無い光透過を生じさせ、美しい輝きが見られます。半面、研磨が悪いとプロポーションが良好でも鈍くぼやけて見えたり、研磨の跡が残っていると研磨跡が線のように見えたりする原因となります。
 この研磨の状態を評価するのが「Polish(ポリッシュ/研磨)」と呼ばれ、ダイヤモンドの美しさに一役買っています。

③ Symmetry
ダイヤモンドの形で最も一般的なラウンドブリリアントカットを例にすると、カット面は合計58面(キューレットがある場合は59面)あります。
この面をファセット(facet)と呼ばれ、Symmetryは、ファセットの正確さや対称性を評価するのが「Symmetry(シンメトリー/対称性)」です。この対称性は上から入った光が反射する輝きの均一性に影響し、対称性が悪いと乱反射や光の漏れなどの原因になります。

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■ ダイヤモンドの輝きの種類
理想的なプロポーションにカットされ、研磨状態が良く対称性に優れたダイヤモンドは、最大の輝きを放ちます。ダイヤモンドの場合、その輝が3つの種類に分けられています。3種類の輝きである、ブリリアンス、ファイア、シンチレーションを説明いたします。

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□ Brilliance
ブリリアンスとは、光がダイヤモンド内部から反射されるキラキラと煌めく輝きのことです。ダイヤモンドは、専門的には臨界角と呼ばれる光が透過して石の外に漏れる角度が狭いため、より多くの光を反射し美しい輝きを放ちます。
ブリリアンスは、理想とされるプロポーション(Cut Grade)に近いほど最大の輝きを放ちます。

 □ Fire
ファイアとは、光がダイヤモンド内部から反射される際に起こる、光の分散のことで、虹色の光を言います。ダイヤモンドは、その分散率が高いため、スペクトルカラーの美しい輝きを堪能できます。ファイアは、石の体積が大きい(反射距離が長い)ほど多くの色を放つため、石が大きいほど多くのファイアが見られます。

 □ Scintillation
シンチレーションとは、光がダイヤモンドの表面から反射される白い反射光の輝きのことです。ダイヤモンドはモース硬度10と硬く、丁寧に研磨されたファセットは、まるで鏡のように白く強い光を反射します。シンチレーションは研磨の表面状態の結果に影響されます。

6. ダイヤモンドの選び方

ダイヤモンドを購入する際、4Cは理解出来たけど選び方が分からないという方に、おススメの選び方をご案内いたします。ここでは3タイプの選び方「品質重視・大きさ重視・バランス」をご紹介いたします。

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■ 品質重視タイプ
品質重視タイプは、高品質なダイヤモンドを購入したいけど予算が心配という方におススメな選び方です。品質面のColor(カラー)やClarity(クラリティ)、Cut(カット)は高品質なものを選び、Carat(重さ)を比較的小さいもの選ぶと、比較的予算内に合わせてご購入いただけます。
ブライダルジュエリーや記念日のプレゼントなど、永く身に着けるジュエリーを購入する際に適した選び方です。

 ■ 大きさ重視タイプ
大きさ重視タイプは、とにかく大きなサイズのダイヤモンドを身に着けたいという方におススメの選び方です。
細かな品質より、パッと見て一番分かり易いCarat(カラット/重さ)を重視する方におススメの選び方です。 ご予算に合いそうなCarat(カラット/重さ)を優先して選びますが、そこで悩むのが他の品質(Color / Clarity / Cut)はどうすればよいか?という点です。大きさ重視は、言い換えれば見た目重視なので、Color / Clarity / Cutは、肉眼で品質の違いが分かり易い順から優先して選ぶとベターです。
肉眼で違いが分かり易い品質は、Color(カラー/色)とCut(カット/輝き)です。Clarity(クラリティ/透明度)は10倍の顕微鏡を使用して評価するため、肉眼では違いが分かりにくいことから、カラーとカットを優先して選ぶことをおすすめいたします。

 ■ バランスタイプ
バランスタイプは、品質も大きさも重視したダイヤモンドを身に着けたいという方におススメの選び方です。
バランスタイプでは肉眼で違いが判る品質を優先し、肉眼で分かりにくいグレードは低めの品質に抑える買い方です。
優先順位は、① Carat、② Color、③ Cut、④ Clarityの順にご予算に合わせて品質を選ぶと良いでしょう。

7. 世界の宝石研究機関

世界各国に様々な宝石研究機関がありますが、ここでは代表的なラボラトリーをご紹介いたします。

 □ G.I.A(Gemological Institute of America:米国宝石学会)
世界共通基準として最も認知されているダイヤモンドグレーディングシステムを発表し、世界で最も権威ある宝石鑑定機関として有名です。アメリカ・カルフォルニアに1931年に創設され、11カ国で教育、鑑定鑑別、研究機関の拠点を構えています。
信頼性は高いものがあり、ブルーダイヤモンドなど高額な宝石は必ずG.I.Aの鑑定書を取得するほか、有名ブランドなども採用しています。

 □ HRD(Hoge Raad voor Diamond:ダイヤモンドハイカウンシル)
ダイヤモンドの研磨生産地として5世紀以上にわたって世界のダイヤモンド貿易の中心地として有名なベルギー・アントワープに創設されたダイヤモンド研究機関です。世界15カ国に拠点を構え、ヨーロッパを中心に高い認知度と信頼を得ています。

 □ IGI(International Gemological institute:国際宝石学会)
ダイヤモンド貿易の中心地として有名なベルギー・アントワープに1975年に創設され、世界9カ国でダイヤモンド鑑定はもちろん、カラーストーン鑑別や教育、宝石学研究などを行う宝石鑑定機関です。ヨーロッパをはじめアジア諸国でも認知度と信頼を得ています。

8.ラウンドブリリアントカットについて

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1919年、ベルギーのマルセル・トルコウスキーがダイヤモンドデザインを発表し、ラウンドブリリアントカットのルーツとして、現在でもその基本理論がダイヤモンドの理想とされるプロポーションに使われています。ダイヤモンド研磨加工業の名門ファミリーの一員で、宝石職人であり数学者でもあったマルセルは、ダイヤモンドのデザインに、反射や屈折率など光学特性を数学的に解釈して理論的に設計を行いました。この理論や方程式は現在でも利用されています。

この理論に基づいてカットされたダイヤモンドは、Ideal Cut(アイデアルカット/理想なカット)と称されています。